4月2日(土) 目の前で外国人がすっ転ぶ

 曇って、13℃。

 久しぶりジョギング。お花見を兼ねて、初台から玉川緑道を大山交差点、上原を走る。肌寒かったが、早くもシートにご馳走を並べて楽しそうに頬張る親子がけっこういた。小さな子供たちがお座りをして食べる姿はそれだけで可愛らしい。それを眺めているお年よりも幸せそうだ。が、平和な雰囲気が一転。代々木八幡駅近くでこちらの太ももにパンと何かが当たったと思った瞬間、自転車に乗った男が斜め前方にひっくり返り、地面にもんどり打って、やがて頭から血を流してしまった。おおお、どうした、どうした。欧米系で10代後半。最初は意識がなかったが、やがて目を動かしだした。こちらはあいにく携帯を持っておらず、こちらの困惑を察して通り掛かりの若者が救急車と警察を呼んでくれた。また、何かあったら僕が説明しますという若者や、倒れた人のために段ボールを取りにいってくれた男性もいて、通り掛かりの人に助けていただいた。到着した救急車の人も警察官も最初、こちらが自転車を持っていたかと思ったようだったが、逆だと分かって、こちらの体を心配してくれた。運よく、被害は皆無。擦り傷一つなかった。これであと1秒ズレていたどうなっていたことやら。警察の話だと、勝手にすっ転んだ外国人は酒を飲んでいて、頭を多少こすったせいで、旨く説明ができないとか。やれやれ。結局45分も足止めされ、現場検証まで立ち合って帰宅する。当然ながら、ツマに怒られる。

 午後、自由が丘の形成外科に行き、その足で店の古い常連さんが働くテイラーで、ジャケットを仕立てる。飽きないものをという希望を伝えたら、結局ネイビーに。まあ、しょうがないかな。以後、帰宅して夜中まで企画書にのたりくたり。老舗ホテルの販促企画だが、なかなか奥が深くて楽しい。日本のホテル事業の歩みをそのホテルの社史から読み解いていったのだが、知らぬことばかりで刺激を受ける。なんだかんだで、2時就寝。いろいろあったような、なかったような1日でありました。


4月5日(火) ご飯がまずいのはどうしたものか

 曇って、12℃。ちょっと寒いなぁ。

 朝イチ、恵比寿にて2週間後にプレゼンをするホテル情報誌の企画のミーティングに参加。20代2人、30代4人、オッサン2人が参加したのだが、20代からは何を言っているのか分からない案が出され、皆さん困惑。デザイナーの女の子は「私、文章を読まないので200字が限界です」とのこと。正直は取り柄かもしれないが、頭が痛くなる。30代後半からは真っ当なアイデアが出てきたので、ちょっと安心する。帰りがけ、駅ビルの中の有名中華料理屋にて昼食。料理の味はすごくよかったのだけど、ご飯の味が絶望的にマズイ。硬くて、パサパサ。中国米なのだろうか。米だけは本場の味にしなくていいのになぁ。すごく損した気分になる。

 午後からPR誌の校正。その他、企画のための資料を読み飛ばす。あー、暇で幸せ。


4月8日(金) お通夜ではしご酒をする

 曇って、22℃。

 7時半起き、昨日の夜から書いていた不動産広告のコピーに手を加えて10時に送信、さらに11時までかかって追加キャッチ案を提出する。寝不足だったが、なんとか睡魔に耐えて某株主通信の原稿書き上げる。夕方5時、昔お世話になった会社の上司のお通夜に参列するため、南武線の谷保という街へ向かう。上司は15年ほど前、打ち合わせの最中に大動脈瘤が破裂。会社の隣が大病院だったため緊急搬送し、奇跡的に命を取り留めることができた。以後、定年まで務め上げ、数日前も手紙をかつての部下に書いていたそうだが、83歳にして再び破裂。今回は駄目だった。上司とは違う部署だったが、自分の後を託そうと思っていた後輩が突然死した折、優しい声を掛けていただいた。そのお礼を言わくなてはと思ったのである。

 ご本人は家族葬を希望されていたそうだが、式場に行くと 花輪も出席者も多かった。淡々と式が終わり、2階で通夜ふるまいを受ける。リリー・フランキーみたいな人がこちらを見てニヤリとされたのだが、3つ年上のディレクター氏と気づくまで、ずいぶんかかってしまった。25年ぶりだもの、しょうがないかな。同僚だったスタイリストと世間話をいろいろ。また、退職以来お会いしたことがなかった先輩たちも多く、元気そうな顔を眺めることができてよかった。西国分寺まで車
で送ってもらい、急ぎの仕事もなかったので、幡ヶ谷の居酒屋へ寄ることに。先週は「明るいうちから飲めるのは半年ぶり」などと言ったばかりだったから、「こんなに早く来ていただけるとは」と驚かれてしまった。まだ3度目だが、常連さん席に座らせてもらい、ぽつりぽつりと世間話を愉しむ。この緩さが心地よい。日本酒2合、水割り1杯飲んでお勘定してもらう。この時点で9時。眠るにはいくらなんでも早過ぎる。酔い醒ましがてら代々木上原まで歩き、虎の子にてはしご酒。アルバイトのY子ちゃんのお友達という男性と、日本酒話でちょっと盛り上がる。金曜日の恒例、Y子ちゃんのフラメンコダンスを観るのは初めてとのことで、喜んでもらった。11時、さすがに疲れ果てて帰宅。今週もいろいろあって、ふー、疲れました。


4月14日(木) 熊本の地震に胸が痛くなる

 小雨がぽつぽつ、17℃。

 朝イチ、恵比寿のデザイン事務所にて新入デザイナー教育の一部を頼まれ、「言葉」についての講義をしにいく。書き言葉と話し言葉の違い、伝わりやすい言葉づかい、伝わりやすい言葉のネタを引き出す質問とか、そんな話をするのだが、年々相手とは若者たちとは歳が開いていく。一番それを感じるのは、情報に触れる環境の違いで、彼女たちの周辺で新聞を取っている友人は皆無らしい。それでいて、グラフィックデザイナーを目指しているというから、皮肉なものだ。デジタル端末とリアルの本とは、同じ「読む」でも質が違う。デジタルだと脳は記憶しなくていいと思ってしまうし、集中力が散漫して内容が頭に入りにくいよと、アドバイスをしてみたが、その話さえ若者は覚えてくれていないかもしれない。虚しさを覚えつつ、90分で話を切り上げる。

 恵比寿の駅ビルの蕎麦屋で昼食。しらすおろし蕎麦にしたものの、蕎麦がおいしくない。ふざけるなと言いたくなる。以後、夜中まで仕事。9時過ぎ、久しぶりに地震があったのでテレビを点けたが、ニュース速報なし。気のせいかなと思っていたら、ネットのニュースで9時26分に熊本で震度7の巨大地震があったことを知る。その後も大きな地震が延々。夜だから状況が把握できないが、被害は間違いなくものすごいものになるだろう。火を使わない季節で、震源が内陸部であるため、東北ほど悲惨ではいなが、それでも明日のニュースを見るのが怖い。これ以上の被害が出ないことを祈るばかりだ。


4月15日(金) 熊本の地震に胸が痛くなる2

 快晴、21℃。

 朝イチから本日の打合せのための資料をつくり、午後3時過ぎから恵比寿で打合せ。1時間半やったが、30代女子デザイナーたちのアイデアがちょっと寂しく、来週のコンペが心配になる。楽しめないのかなぁ。仕事のキリが良く、空も明るかったから、久しぶりに元住吉の師匠の店に行こうと電話したが、つながらない。何があったのか、大事でなければいいが。代々木まで戻り、しょうもない中華料理屋で卵きくらげ定食を食べ(ここもごはんがマズイ)、帰宅する。以後、夜中まで不動産広告の仕事やら、修正原稿の対応やら、いろいろ。

 疲れて12時過ぎからテレビで地震のニュースを見ながら酒を飲む。津波も放射能もないが、それでも被害甚大で、熊本城は維新戦争で官軍に攻められて落城寸前だった会津若松の鶴ヶ城のよう。こんな光景を5年の後に見るとは思わなかった。1時半近くにまたも震度6強の地震が発生。いつになったら収まるのか。そうこうしているうち2時近くになり、ツマから電話あり。マンションの1階にいるが、オートロックドアが開かないという。自分でも確かめてみると、やはり反応なし。管理会社に緊急通報し、対応をお願いする。たまたま自宅にいたから良かったものの、酒が足らず、携帯も持たずにフラフラとコンビニなんぞに出かけていたら、大変なことになるところだった。そんなことなら笑える話だが、熊本は冗談にならない。胸が苦しくなる。 


4月21日(木) 疲労困憊する 

 曇って26℃。ムワッとしてました。

 午前中はぼんやり。不動産広告のプロダクションAD氏より、夜10時目安で原稿の戻しが少しあるので時間を確保しておいてほしいとのこと。いやーな感じ。昼から新宿のクライアントにて、飲食系PR誌の企画会議に参加。本部長が替わったのを契機に企画を見直すことになったが、おおむねこちらの提案が受け入れられる。あとはデザイナー氏にどれだけこちらの意図を酌み取らせるかである。

 夜になって明日プレゼンのホテル季刊誌の企画書について、プロデューサー氏から電話で注文あれこれ。○○のフレーズが足りないとか、ここはこう変えてとか。急に慌ただしくなる。加えて、不動産広告の原稿戻しが12時過ぎにやっと到着。結構、手間のかかる赤字が入っていたが、なんとか夜明け前までに直してほしいとのこと。暗然となる。なんとか3時に修正原稿を上げたものの、すぐさまダメ出し。当のご本人は打ち合わせ中だとか。どんな仕事だ、まったく。イライラしながらパソコンに向かっていると、3時半に帰宅したツマが血の気の引いたこちらの顔を見て飽きれていた。結局、5時までかかって不動産広告の再修正原稿をでっち上げて送信、さらに別件の季刊誌のフレーズ追加案も送信。安堵よりも、疲労困憊で何も考えられない。 外はすでに明るく、すずめもチュンチュン。いいトシしたおっさんがやるような仕事ではありません。


4月23日(土) 2年ぶりにモフモフする

 曇って24℃。なんか、すっきりしないなぁ。

 昨日は早めに寝たが、疲れがまったく取れない。にもかかわらず、7時半に目が醒めてしまう。気持ちが高ぶったままだ。やがて昨年から計画していた自宅マンションのドア交換工事が始まり、ドカドカガガガとまことにやかましい。が、その最中に睡魔に襲われ、再びベッドへ。結局、11時まで寝てしまう。午後、ぼんやりネットで資料探し。手応えがなく、紀伊国屋書店まで出かけるが、ここでも収穫はいま一つ。まあ、しょうがない。

 7時過ぎ、近所の焼肉屋にツマと出かけ、晩飯。安くて旨いのはいいのだが、焼肉は食べるベースがどうしても早くなり、1時間半で満腹になってしまう。お勘定してもらうと、予想よりずいぶん高い。明細を見ると、2人前のコースが4人前に。そんなに食べられません。お願いしますよ、おねえさん。帰り道、住宅街の真ん中で家飼いの大きな猫が夕涼み(の時間ではないけど)をしており、触っても逃げようとしない。うれしくなって、久しぶりにモフモフ感を楽しませてもらう。飼い猫が亡くなって、もう2年。半年間の辛い日々を送ったことが、この間のことのようだ。ハナコが大喜びしたツボをポンポンしてやるが、反応なし。当たり前か。その足でずいぶんご無沙汰していたご近所のバーに顔を出すと、早い時間だったせいかお客さんはおらず、おかげで夜景を見ながらゆっくりカクテルが楽しめた。あー、満足、満足。


4月28日(木) 図らずも下北沢で飲む

小雨で15℃。

 世間では明日からゴールデンウィーク。こちらは我がままクライアントのおかげで、仕事、仕事、仕事である。忙しいのはいいけれど、だいぶ疲れが溜まっていて、集中力が低下している。夜10時過ぎ、辛抱がたまらず仕事を放り投げ、小雨の中を東北沢の馴染みの居酒屋を目指す。が、珍しく早じまいをしていて提灯の電気が消えていた。そのまま引き返すのが悔しく、下北沢まで歩いて友人の居酒屋へ。こちらは営業中だったが、ご亭主のJさんがぎっくり腰とかで、奥さんのHちゃんだけの営業だった。

 一人ぼんやり久しぶりの日本酒を飲んでいたら、Hさんがお隣りの青年を紹介してくれた。仙台から出てきて5年間居酒屋修業をし、そろそろ夫婦で店を構えたいとのこと。こちらは経営者ではないので偉そうなことは言えないが、知っていることを2、3無責任なアドバイスをすると、ご自分には発想だったらしく、話が弾んだ。これからというところで、「もう少しお話を聞きたいのですが、住まいが遠いので失礼します」と言われてしまう。時計を見ると、知らぬ間に12時近く。とあれば、こちらもそうのんびりしていられない。慌ててお勘定を済ませて駅まで走っていくと、最終電車は10分の遅れ。なんだか損した気分になってしまった。


4月30日(土) 23年来育った植木を切る

日本晴れ、22℃。すっごく気持ち、えー。

 ずっと昔、大岡山に住んでいたときに買ったグリーンの最後の1鉢が、ここに来てとうとう枯れた。葉が出る間は捨てるのも偲びがたく、そのままにしていたのだが、今年は枝が茶色いまま。どうやら天寿を全うした模様である。天気がよかったので、バルコニーの掃除ついでにエイヤと処分することにした。水をやるぐらいしかしてこなかったが、それでも植物は環境が合うと長生きする。寝室側に置いてあるものも20年生きており、偉いもんだなと思う。お婆ちゃんのようにやせ細った枝をノコギリと切り落として、バルコニーを掃除して、窓磨き。すっきりした。ゴールデンウィークの過ごし方としては、まあ、悪くない。