4月1日(水) 送別会に参加できなーい

 曇って18℃。

 朝からフルスロットルで、あれやこれやの原稿書き。午前中は一昨日、昨日と訪ねた地方取材の記録用レコーダーのテープ起こし。午後は某タレントの講演会テープのリライト。内輪の集まりでもないのに政治的に危ない内容が延々続き、頭を抱える。そのまま載せれば講師としては招待した団体の品位が疑われるし、書かなきゃ書かないでご本人が臍を曲げるだろうし。あー、悩ましい。講演会で口を開くなら、ややこしい話をするなー。手間がかかってしゃーないだろ。通常、3時間で上げるところを倍もかかってしまった。あー、腹が立つ。続いて、某クライアントの個人株主向け報告書の修正対応を2時間で片づけ、さらには別件PR誌の原稿書き。そんなこんなで、本日のノルマを超えたのは12時だった。今日は店の常連で、仙台に帰るTちゃんの送別会に参加できずじまい。おのれ、某タレント! どうしてくれる!


4月2日(木) 花粉と煙草が目に染みる

 晴れて17℃。

 午前中、早めに仕事スタート。飲食系PR誌、スケジュールの関係で料理撮影が先、原稿書きが後になったことでどうも文章がフレッシュさが出てこない。自分をふるい立たせないといかんな。

 午後2時、神保町にて新規不動産のプロジェクトの初回打合せ。自分が扱ってきた中で一番大きな案件で、頭がくらくらする。仕事の進め方が独特で、何ともつかみにくい。3人の意見はだいたいのところで一致したが、それで正解なのかと言われれば言葉に詰まる。自分を除く2人は超ヘビースモーカー。それもまた悩ましい。3時半、終了。本屋街を歩くが、心惹かれるものと巡り合わず、ただくしゃみが出るのみ。時間があれば九段まで足を伸ばして名残の桜を楽しみたいけど、それができない。早くこの忙しさ、落ち着かない状況を脱出したいなぁ。


4月6日(月) 横浜の先まで出かける

 晴れて22℃。

 朝イチで飲食PR誌の原稿アップ。すっきりしたところで、梅ヶ丘まで鬱陶しかった髪を切りに行った。さらにすっきり。時間ができたことだし、先週入った不動産広告の現場を見ておこうと、そのまま1時間半かけて横浜の先の京急某駅に向かう。途中、まさにその仕事を発注してくれたディレクターより電話が入った。代理店への初回プレゼンが不調だったそうで、木曜日の打合せを明日に前倒ししてほしいとのこと。嫌な感じがしたが、まあ、しょうがない。

 某駅は各駅停車の駅で、駅周辺にはスーパーはあるものの、商店も10軒ほどしかなかった。道が細く、家々が迫っていて、不安な感じになる。が、地図アプリを頼りに急な階段を登っていくと、横浜の海や森も見えて、街の印象が変わった。視界を遮る不粋な建物もないところもいい。不便だけど、この眺めを独り占めできるのはいい。よかった。これならポエムのような言葉を使わなくても、堂々とキャンペーンができる。横浜から東横線、副都心線に乗り換えて帰宅する。

 明日、打ち合わせに備えていくつかキャッチフレーズを考えたが、今日だけは酒を飲みたく、10時過ぎには仕事を放棄してウイスキーをやり始める。さあ、気分を替えなくちゃ。


4月7日(火) Tちゃんと酒が飲めない

 曇り後、小雨。13℃。寒いなぁ。

 朝からどんよりして、気温が上がらず。10時半、お茶の水にてデザイン事務所にて不動産広告の打ち合わせを2時間ほど。アイデアはいくつか出されるが、表現コンセプトにつながりそうなものはなく、こちらもまだ知識不足で知恵が働かない。皆さんは20年、30年のキャリアがあるため、飄々としていたが、これで来週プレゼンなんてできるのだろうか。不動産広告に関しては経験を少ない身としては、なんとも落ち着かない気分になる。新宿伊勢丹にてシャツを買って、昼過ぎに帰宅。

 6時前に近所の代理店で、四国にある食品メーカーの新聞広告の件で打ち合わせ。これまで何年となく広告を打って、それなりに反応があったが、ここ数年はジリ貧になっているのでアイデアがほしいとのこと。で、掲載事例を見せてもらったのだが、「今なら○○円引き」「4セット買えばさらにオトク」としか謳っていない! 頭が痛くなる。キャッチフレーズだけ変えても飛ぶように売れるはずもないのだが、どうも、ここの社長はそれを期待しているフシがある。非常に嫌な感じ。7時半過ぎ、打ち合わせ終了。小雨が降っていたが、今日は仙台に帰省するTちゃんが夫婦で店に寄ってくれるとのことで、顔を出す。先週は送別会に出られなかったので今日はがつんと飲むつもりだったが、仕事のせいで、またも叶わず。仕方がないのでノンアルコールビールでごまかし本当に乾杯だけしてお別れする。仙台に行ったときは遊んでね。上原の駅ビルで蕎麦をすすって帰宅する。

 以後、朝3時過ぎまで不動産広告のコンセプトフレーズづくりに苦悶。目が冴えて眠れないので、濃いウイスキーの水割りを呷って眠ることにする。ツマ、未だ帰らず。どこまで飲んでいるやら。


4月9日(木) つけ麺で労をねぎらう

 薄曇り、13℃。

 不動産広告の仕事のおかげで、二日ほど満足に寝られず。朝から相当な数のフレーズを出したが、なかなかプランナー氏がウンと言ってくれず、OKをもらえたのは午後3時すぎだった。が、6時からの代理店での打ち合わせに参加するべくお茶の水の事務所に訪ねると、ディレクター、昨夜は完徹したプランナー氏が浮かない顔をしている。なんでも午前中に代理店で下打ち合わせをしてきたところ、担当者から企画書の上がりが遅いとダメ出しをされたとか(フレーズではありません)。それで、申し訳ないが、今日のところは2人だけで行ってきますということになった。雲行き妖し。が、いただいたスケジュールの中でできる限りのことはした。ま、しょうがない、こういうこともある。自分を慰め、つけ麺を食べて帰る。7時過ぎにプランナー氏から電話があり、本日の代理店へのプレゼンは可もなく不可もない反応だったとか。うーむ、どうしたもんだか。

 たぶん、この件はポシャるだろうな。でも、ま、今は寝られることの方がうれしい。デザイン事務所からその後は連絡がなく、10時からウイスキータイム。程なく意識が吹っ飛び、気づくとリビングであぐらをかいたまま寝ていた。


4月10日(金) 新入社員の視線にクラクラする

 曇のち雨、11℃。

 朝イチ、PCを立ち上げるとお茶の水のデザイン事務所から例の件で、プロジェクトを外れることになったとのこと。まあ、しょうがないな。9時過ぎ、恵比寿の代理店へ。ここ3年ほど、新入社員教育の講師もどきを頼まれている。今週は仕事がきつかったので断ろうかとも思ったが、昨日のドタキャンで時間ができたため、なんとかできることになった。今年の新入社員は女性デザイナーが2人、ディレクター候補が1人。皆、目がきらきら輝いて、クラクラするほど。1時間ちょっと「言葉とコミュニケーション」についてあれやこれや。今なら、どんな未来も手に入る。がんばってほしい、本当に。

 お昼を食べてから新宿で免許証の更新。2時間弱ですべて終わると小雨に降り始めていたが、本日は飼い猫ハナコの1周忌で、昨日は父親の19回忌でもあった。で、そのまま地元のスーパーで花とお菓子を買って帰る。二人とも遅れてごめんね。

 夕方まで別件ブライダルチェーンのパンフレットの原稿書き。が、眠たくてまるではかどらない。甥を誘って酒でも飲もうと思ったが、仕事が入っているらしくそれも叶わず。一人でうだうだ。なんだか、ジェットコースターのような1週間だった。疲れました。


4月15日(水) 近所で記憶がすっとぶ

 快晴、21℃。

 食品メーカーの新聞広告の原稿を昨日から書き始め、朝から推敲。夕方に上げて送信すると、ディレクター氏より早々にOKをいただく。すぱっと夕方に業務終了したので、伊勢丹まで袖詰めを頼んでいたシャツを受け取りに出かけ、その足で幡ヶ谷へ。先だって入るのをためらってしまった小さな食堂(酒もあります)に入ってみる。カウンターだけの造りで、席数は6客。虎の子よりかなり小さい店を、2年前から女性1人で切り盛りしているという。先客は女性2人ながら、後から来るのは皆、男性。それも一人客が多い。食堂がベースなので、料理はごはんのおかずが中心だが、宮城の厚揚げは初めてで、なかなか旨かった。こちらが入って1時間半後に入ってきた男性は2ヶ月前に引っ越し、気になる店は全部入るようにしているという。ご当人いわく、「幡ヶ谷は猫好きの店が多い」とか。そんなことからその方と少しだけ猫談義をしてお勘定をしてもらう。最後におかみさんに「Tちゃんの紹介で」というと、すぐに「Tさんの」と名前が出てきた。客商売とはいえ、素晴らしい反射神経。

 初台に戻り、酔っぱらった勢いで手づくり感満点のカレーダイニング(まあ、飲み屋です)に寄り道。だんなさんが映画関係の人らしく、壁には映画のポスターやら、配給会社の名刺やら。奥さんと渋谷区区議会選挙の話をしながら、ハイボール2杯で切り上げる。で、そこで帰れば良かったのだが、この間から近所でちょくちょく目撃する移動のバー屋台を吉野家前で発見。だれもいなかったので、1杯だけと決めて寄ってしまう。妖しい店主は元国会議員秘書という珍しい経歴の持ち主で、もう6年ほどもこのスタイルで屋台を引いているとか。暖簾なし、椅子なし。正真正銘の吹きっさらしのスタンドバーだが、自分がそうであるように吸い寄せられる人が多いらしい。止せばいいのにウオッカか、強い酒を飲んでしまったらしい。見事にそこからの記憶がすっ飛び、気づけば自宅であぐらをかいたまま眠っていた。頭、いてー。


4月18日 (土) 南新宿で妖しく和む

 快晴、19℃。このぐらいでよし。

 昼前、久しぶりに山手通りをジョギング。拡幅工事の際、自転車優先レーンと歩道の境に桜が植えられたのだが、てっきり立ち枯れしていたと思った木が陽気のおかげでけっこう芽吹いており、目も心も和む。植物も動物も、生きることを諦めないところが素晴らしい。

 午後、小さな調べ物をいくつか。夕方6時過ぎ、歩いて小田急百貨店まで。その折、南新宿駅近くの細い路地を抜けていったのだが、土曜日ということもあって、バーもビストロもカレー屋もお客さんの姿なし。もしも用事を済ませてまだそのままだったら、その中の一軒に寄ることに決める。で、30分後再び通りかかると状況変わらず。えいやっと、端っこのバーに入る。料理なし。乾き物は食べ放題で500円。あるのは酒だけという店で、10カ月前にオープンしたばかりだという。オーナーのIさんは以前やっていたホテル内の飲食店を畳んで、都心近くで妖しい店をやろうと開いたのだとか。下北沢あたりにはありそうだが、南新宿だと希少価値。探せばあるもんだなあ。で、何にもなかった代々木界隈に20年間でどれだけ店が増えたかという話、懇意にしていた今は人気のバルのオープン当初の話、互いの海外旅行での失敗談など、いろいろ。若いというのになかなか聞き上手のオーナーで、気づけば2時間も居続けてしまった。腹の中に入っているのは乾き物だけだったので、参宮橋を通過して代々木上原に移動する。

 虎の子に寄ると、今し方お客さんが帰ったばかりということで、独り日本酒を飲んで過ごす。1時間過ぎてお次が見える気配がなし。これ幸いと店を早じまいし、ツマが一度入って気に入ったという和食店に寄ることにする。まことにけっこう。オーナーはなんちゃってではなく、真っ当な修行を積まれた職人で、見ていて気持ちいい。時間も時間なので、本来はコース料理の先付だけを二人前作ってもらい、ゆっくり過ごす。

 今週はめったにしないはしご酒を二度もしてしまった。明らかに飲みすぎ。来週は自重します。


4月25日(土) 吉林省の料理というものを食べる

 快晴、22℃。なのに寒く感じるのは、なぜだろう。

 厚い布団のため眠りが浅く、6時間も寝ていないのに起きてしまう。仕事の資料を読み散らかす。11時、アルコールを抜きたくて、いつもの山手通りコースを1時間ほどジョギング。じんわり汗をかく。途中、明日の区議会、区長選挙の候補2人に手を握られそうになったが、汗まみれのため勘弁してもらう。

 それにしても、選挙候補者ってなぜ名前を連呼して回るのだろう。あれを聞いて投票しようと考える人って、はたしてどれだけいるのだろう。何かをやらないと落ち着かないから、やっているのだろうか。ずいぶん無駄な努力をするものだと思う。選挙ポスターもひどい。だれもかれも公約がちんまりしていて、ワクワクしない。「子供たちに未来を」(はいはい)、「だれにも優しい街づくりを」(はいはい)、「定数是正を」(はいはい)。小学生か、と突っ込みたくなる。それで「清き一票を」だもんなぁ。なんだかなぁ。

 午後、掃除の後に1時間ほど昼寝。が、目覚めると風邪をひいたかのようにぞくぞくする。頭も痛い(これは10日ほど前からだけど)。夕方、定休日のツマと夕食兼用の飲み屋を探したのだが、「風邪にはニンニクが一番」とのことで、代々木の外れのホルモン屋に行くことにする。レバステーキ、茹でタン(この2品は満足度高し)など、10品ほど。ツマが白ワインを飲んだところで、お勘定をしてもらう。70%ぐらいの満足度かな。その帰り道、最近居抜きで吉林省料理に変わった店に寄る。晩酌セット、前菜、料理一品、焼きギョウザ3個+飲み物で980円! あまりの安さにクラクラする。カタコトの日本語しかしゃべられないホールの女性に吉林省の代表的な料理は何と聞くが、にこにこ笑うがどうにも要領を得ない。豚肉のピーマン炒め、鶏の卵炒め、悪くはないけど優しい家庭料理の味で、もう少し個性を出さないとひと通りが少ないエリアでは厳しい。で、差し出がましいと思ったが、「吉林省の地図と名物の写真を外に貼ったほうがいいよ」と帰りがけにアドバイスして店を出る。どこまで伝わったものか。

 この時点でまだ10時。いつもならツマはもう一軒行くところだが、珍しくそのまま帰宅。撮りだめしたテレビを見て1時過ぎに就寝。健全な一日でありました。